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●●しないと出れられない部屋の巻⑴
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@@@@@@
「…おい」
「ん?」
チェシャは、肩を揺すられて目を覚ました。
「良かった…生きてるな」
天花はほっと胸を撫で下ろす。
「んん?」
「寝ぼけてる場合じゃない」
「?」
天花に起こされたチェシャが上体を起こす。
「あれ?なんでここにいるの?…なにその格好?ってか、ここどこ??」
「それは、俺が聞きたい」
天花とチェシャは、部屋のベットに寝かされていた。
布団以外、窓はなく天井には蛍光灯があるだけのなにもない部屋だった。広さは6畳ほどだろうか。
出入口はドアが1つありドアの下には1通の封筒が落ちていた。
「…なんか落ちてるね」
チェシャがそういうと天花はベットから離れて封筒を拾った。
天花は黒い袈裟を着ていて、勤行中だったことはすぐにわかる。足元は足袋を履いている。チェシャはというと普段、仕事をする時と変わらない格好をしていた。
どうやって2人をこの部屋に連れてきたのかはわからない。状況が読み込めずに、天花は封筒を開けて中の紙を取り出した。
そこに書かれている文字に目を通しているが、若干文字に焦点が合わないのか、目つきが悪い。
「老眼鏡は?」
「ああ…見えないことはない」
そんな天花が、眉間にシワを寄せたあと明かに『?』と頭の上に浮かべた顔で、チェシャに近づく。ベットに腰掛けているチェシャに手紙を渡す。
「…」
「なに?」
チェシャは、無言の天花から手紙を受け取った。
「…なにって、よく意味がわからない」
「…」
よくわからないシュチュエーションで、意味がわからないことが手紙に書いてあるなんて恐ろしすぎないか?
と、思いながらチェシャは手紙をみた。
『平素より大変お世話になっております。この度、あなた方は『●●しないと出られない部屋』というイベントに強制的に選ばれましたことをご報告いたします。おめでとうございます。祭事ですので、いくつかお題をご用意しました。それを経るたびに次の部屋の扉が開くようになっております。最終的には部屋を出られるようになっておりますが、時間制限はございませんので、達成できなければ永遠にそのままです。難しいお題ではございませんので、最後まで達成して部屋を退出できますようお祈りしております。では、早速この部屋でのお題でございますが…』
手紙を読んでいたチェシャは、顔をあげた。
「なにこれ?」
チェシャも天花と同じ感想を言った。
「だから、言っただろ」
そしてチェシャも天花も同じ表情になる。
「ボク、仕事の真っ最中だったんだよ」
「それは、俺も一緒」
天花はこれから法事へ向かうところだった。
チェシャは今から、依頼をこなすところだった。
お互いバラバラの場所にいたのにもかかわらず、謎の空間に連れてこられて監禁されている始末。
「…」
チェシャは立ち上がる。
「チェシャ?」
横顔を天花は見上げた。
天花の元へやってくるチェシャとは違う横顔だった。普段の彼の表情なのだろう。全く表情に感情を移さず、無表情で部屋を見渡す。瞳は若干鋭く何かを探しているようにも見えた。何度か、見渡したあとチェシャは天花の元へと戻ってくる。
「ねぇ」
「…どうかしたか?」
チェシャは、クマの酷い顔を天花に向ける。
「ちゅーしよ」
「は?」
その手紙の一番最初のお題は『①キス』であった。
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