アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2022年霜月のとある日の巻❺※
-
「ふぁあっ!」
チェシャは、天花の首に巻きつけた腕の力を強めた。天花が急に腰を動かしたからだ。
「っん、あぁ、っあぁッ!あん!」
天花が腰を動かす1回1回で、チェシャはいきそうになるが、性器を掴まれて達することができない。
「ぁん、あぁっ、ぁあんっ…ダメっ!」
体にもどかしい熱が溜まっていく。
チェシャは、腕を回している天花の背中に爪を立てた。
「チェシャ…おい」
「ご、ゴメん…で、でも…ゆきちゃんがっ…あんッ!」
潤んだ琥珀色の瞳が美しい。
「…」
天花は眉を少しだけ動かした後、激しく腰を動かす。
「やぁああああっ!だ、ダメぇ!っあああん!」
天花の身体は燃えそうなほど熱い。その熱がチェシャ諸共燃え上がるそうなほどに体温が上がっていく。まだ発汗できるなら良いがキツく握られた性器は捌け口がなく、熱がこもったまま身体の中で出口を探して暴れ回っている。
「や、やだぁあ!ゆきちゃんっ!も、もう、いいいイきたいぃぃっ!」
堪えようと体に力が入り、それが天花の背中に爪を立てる。
「お、おねっ…お願いっ!ゆ、ゆきちゃ、んん…ぁあっ!」
頭がおかしくなりそうだ。
「あぁあっ!も、苦しいっ…いや、嫌ぁあっ!」
チェシャは追い詰められる。
「うわぁあああああああぁっ!」
チェシャの訴えが受け入れられて、天花はチェシャの性器を腰の動きと一緒にしごいた。急激な刺激にチェシャは、天花の背中に強く爪を立てる。
「…あほ、爪たてすぎだ」
「う、ううんんん…ぁぁあっ…」
もちろん、チェシャはあっけなく達してしまう。
天花は動きを止めた。
「…だ、だって…んんっ」
チェシャの精液が天花の掌にべっとりとつく。
「ゆきちゃんが意地悪するからぁ」
チェシャは、まだ余韻が残る瞳を天花に向ける。
天花はその瞳を見下ろす。
「いつも意地悪して欲しいっていうくせに」
「ボクそんなこと言ってない」
天花が詰るとチェシャは頬を膨らませながら涙目でいう。
「言うだろ、いつも酷くしてって」
「今日はまだ言ってないもん」
天花の分厚い皮膚の不器用な手つきで、チェシャの目元の涙を掬う。
ざらっとした指紋の感触が、チェシャの柔らかな頬を傷つけそうだった。
「言ってた」
「言ってない」
どうせ優しくして欲しいのか?
と聞くと頬を膨らませて『乙女心がわかってない』などと天花詰るのだ。
だから、今日は…
「…」
聞かない。
「ゆ、ゆきちゃ…!?だ、だめっ!ぃやぁあああああっ!」
チェシャは天花の表情が変わった事は察知したが、対処できるかどうかというのは、また別の問題だった。
天花はチェシャが何かするより一瞬早く精液まみれの手でチェシャの性器をしごいた。まだ、余韻が完全には消えていない萎えた性器に乱暴な手つきで刺激されて、チェシャは絹を裂いたような声をあげて喉を仰け反らせた。
「や、やらあぁっ、ゆぎ、ちゃぁあぁああああああぁぁああぁっ!!」
チェシャの足がジタバタと暴れる。
さっきまであんなに達したいと懇願していたのに、今度は達したばかりの敏感な部分を執拗に扱かれる。
「イグ、イグっ…い、グあぁあああああああぁああああっ!!」
チェシャは、天花の背中にまた爪を立てた。
天花はチェシャの性器から手を離した。さっきまでは、与えられていた刺激が急に途絶えて、上りかけていたチェシャの体から力が抜ける。
けれど、その一瞬さえも惜しむように、天花は再び腰を動かし始めた。
「ふぁあぁああッ、あああああああああぁっ!」
チェシャの骨が浮きでた腰をつかむと、思い切り力任せに腰を捩じ込む。
「っあぁああぁ、ぃぐぁあああああぁぁあああっ!」
天花が腰を掴むと、チェシャの腰が宙吊りのように浮き、首にまわっていた手が離れる。
人間の体の中でも腰回りというのは結構重量があるはずだが、チェシャの痩せた薄い腹は、今の天花の腕くらいしかないんじゃないかと思うほどの軽さだった。しかも、背中とお腹がくっつくんじゃないかと思うほど腹は薄く、本当に体内に内臓が入っているのかと疑問に思う。そこに天花の性器が出入りするたびに動きがクッキリと浮きでてきて、天花は羞恥心に襲われる。けれど、同時に欲情を煽られ、酷く興奮してしまった。そのまま快感を追うように腰を掴んで逃さずに動いていると、チェシャの内腿がガタガタと震えて後孔が閉まる。
「んぐぁあぅあう、あふぁあぐぁあぐああああぁあああっ」
途切れることなく、チェシャの口から声が漏れる。
そんな獣のようなわけのわからない色っぽいとも言えない嬌声をあげることに羞恥心を抱いたり、そんな嬌声を上げさせたことに優越感を与えたりと、冷静に考えたら思うことはあるだろうが、生憎そんなことに思考を避けるほど余裕はない。
途切れない嬌声と共に、チェシャの性器から透明の液体がで続ける。それがチェシャの両脇腹から、ポタポタと垂れていく。まるで、雨樋から雨が降るかのように流れていって途切れない。
チェシャの内腿の痙攣は小さく震えていたものから、太もも全体に広がってやがて天花が持つのも困難なほどの大きさになったので、解放してやる。
「ああうう…あう…っ」
チェシャの腰を下ろすとだんだんと静まってやがて、浮いた肋骨が正常に呼吸を始める。
宙吊りなることで、チェシャの肉壁を掻き回す天花のそれから逃げることができないまま、的確に前立腺を刺激される。まるで、脳味噌を直接手で掻き回された時のような強烈な快感に翻弄される。きっと、相手が天花でなければ、どんなに信頼している相手だったとしても、恐怖心と不快感はあったと思う。
こんなにも他人に体を蹂躙されて、支配されても安心して身を委ねられるのは、普通の人間とは違うからかもしれないとチェシャは思う。
神様や仏様は信じない、でも天花だけは信じても良いと思える。チェシャだけの神仏が天花であり、彼だけが唯一チェシャに安らぎを与えることができるのだと思う。安らぎからくる信頼は、手放しの愛情が生まれ、そこから感情が育って、快感という花が咲く。
「はぁ、はぁ…チェシャ…」
チェシャは、前髪が額にへばりついて、涙が両目から溢れていた。
人中は鼻水で汚れ、半開きの口からは微かな息と泡の出てない唾液が漏れていた。
「ゆぎ、ちゃ…ん…」
チェシャの体が無意識に跳ねる。
痺れた思考で弱々しくチェシャは天花を見つめた。
「んふ、あん、んん…」
天花は、チェシャの唇に自らのを重ねる。
舌を絡ませると、辿々しくそれに答えようとする。
「んぅ、ぁんっ」
今のチェシャに、いつものようにお互いの口腔を貪る余裕はなく、うまく飲み込めずに唾液が漏れていく。
「んぐん…っ」
天花がチェシャの唇を離す。
「んぁんん…」
まるで猛毒入りの薬でも飲み込んで瀕死の淵で喘いでいるかのようにチェシャは、弱々しかった。
「ゆ、ぎちゃん…どうしよ…っボク…」
「?」
チェシャの体が跳ねるたびに、天花の性器にもそれが伝わる。
「うぅうううう…っ」
「チェシャ、お前…」
さっきまで、激しかったから余韻はそこそこあったろうが、何もしていないチェシャの太ももが震えだして、性器からスプーン一杯分の潮がとろり溢れる。それはチェシャの腹の上に水溜りを作った。
「大丈夫か?」
何もしていないのに、チェシャの身体が勝手に反応して、勝手に達してしまう。
「も、ボク…ダメかも…」
チェシャは、天花に長く会っていないから、不健康そのものだが、いつもとは少し違う。もしかしたら、脂肪がないぶん余計敏感になっているのだろうか?
「ゆ、ゆきちゃん…」
チェシャは、天花の左手に自らの手を絡ませた。
「もっと、ダメにして」
「…」
こういう時は『仕事に差し支えるからやめよう』とかの流れになるんじゃないだろうか。
「はぁ…」
「?」
チェシャが仕事熱心じゃないことは確かにいいことで、セックス如きで仕事に差し支えるのは日本の平和を1つ守ったということと同じじゃないだろうかとも思う。
チェシャの仕事は殺し屋だし、仕事に差し支えるというのはつまりは、今日チェシャが殺すはずだった相手の寿命が1日伸びたということだ。
それがどんな相手なのかはわからないし、もしかしたら大悪党の命だったかもしれないが、虫の命も人間の魂も五分の魂。神でも仏でもない天花が良し悪しを決められるほどの偉い人間なわけではないからなんとも言えない。
「何?」
天花のため息にチェシャが虚な瞳で見上げる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 92