アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
07 決意の休日1
-
今日は月曜日。
蒼にとったら貴重な休日である。
星音堂の定休日は月曜日。
週末にイベント需要が高いために定休日がずれているのだ。
週休二日の公務員。
それだけでは、休みが不足してしまうので、職員は土日に分かれて休みをとることになっている。
日曜日に休みが回ってくれば連休でラッキーだが、土曜日になると飛び石休みになってしまう。
しかも、あまりにも忙しい時期だと、土日の休みも取れないときがあり、平日に休みが回されたりすることもあるのだ。
今回もそうである。
週末は、必死に働いて。
蒼の代休は、今週の金曜日になっていた。
二人で住むようになってから初めての休日。
だけど蒼には関係ない。
休日は、のんびりできればいいのだから。
昨晩は、関口と一緒に帰ってきて、早めに床に就いた。
この時間が幸せ。
今日もゆっくり朝寝坊したいな。
そんなことを考えながら眠る。
休みの日は大概、午後まで寝てから夕方ご飯を食べて、本を読む。
蒼は、ほとんど外出と言うものをしない。
ここ何ヶ月も遊びに行くなんてことはしていなかった。
一緒に遊ぶ友達もいないし。
そう。
蒼は、友達が極端にいない。
ほとんどいないに近い状態。
一人で暗いって言われても仕方がない。
事実だから。
深い付き合いを好まないのだ。
だから、環境が離れてしまうとお別れになってしまうことが多い。
だけど、別に寂しいとは思ったことはなかった。
それでいい。
そんなものだろうと思っているから。
「起きろ」
夢うつつで思考を巡らしていると邪魔が入る。
頭に触れる暖かい感触に瞳を開ける。
一人でのんびりできる休日だったはずなのに。
「な、なに……?」
「出掛けるぞ」
一応、起きてはいるものの、何が起こっているのか分からない。
「……」
視界は、ぼんやりしているし。
ぼけっとして男を見つめる。
彼は、すっかり身支度も整えて蒼の脇に仁王立ちになっていた。
「……?」
「蒼!」
ぱんっと目の前で手が打ち鳴らされた。
はっとし、我に返る。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
40 / 869