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07 決意の休日2
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「関口」
「大丈夫か?寝すぎだぞ」
「寝すぎ?全然寝てないじゃない」
蒼は、時計を見つめる。
まだ時間は、10時を回ったところだ。
「昨日は10時頃から寝ていただろう。寝すぎると頭が馬鹿になるんだぞ。平均睡眠が6時間前後を越えても少なすぎても、生活習慣病に罹患しやすいんだから」
朝からややこしい話をされても理解はできない。
「何言っているのか分からないよ。関口」
蒼はそう言いつつ、布団に手を伸ばす。
しかし、それは関口に阻止された。
ささっと腕を引っ張られてベッドから連れ出される。
「まあ、いいから。さっさと起きて。出掛けるんだから」
「どこに行くんだよ~。こんな早くに」
少しはのんびりさせてくれと思う。
せっかくの休みなのだから……。
蒼は、文句を言いながらも急かされて着替えと洗顔、歯磨きを済ませた。
もう寝癖なんてどうでもいい。
半分、引っ張られるように連れて行かれて車に乗せられる。
結局、関口が同居することになったので駐車場を借りるハメになったのだ。
二人で半分ことは言え、出費はかさむものだ。
彼の運転であちこち連れまわされる蒼。
蒼の部屋は狭いってことを事前に了解していた関口は、必要最小限の荷物で引っ越してきた。
しかし、生活してみると欲しいものが出てくるのだろう。
今日は、その買い物だったらしい。
あっちもこっちも付き合わされた蒼は、疲れてしまった。
最後に大型スーパーに到着するころにはぐったりだ。
休日に出掛けるのは久しぶりなのだ。
月曜日と言うこともあって、どこも比較的空いてはいるものの、日中のお店にはパワフル主婦たちがたくさんいる。
買い物は大変なことだと実感してしまった。
スーパーまで買い物に付き合う気力のない蒼は、車の中でぼんやり関口を待っていた。
「は~……」
目の前を賑やかに通り過ぎていく家族や主婦を見つめながら、関口のことを考えた。
あの男は、結構わがままだ。
なにをするのも自分の基準で動いている男。
一緒に住んでいたって、ここまで付き合う義理はないはずだ。
なのに、こうして連れまわされてくたびれてしまうのだ。
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