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12 それぞれの覚悟3
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自宅のベッドがいいのか?
関口が側にいてくれているせいなのか?
その晩、発作は起きなかった。
久しぶりにぐっすり眠れたせいか、朝になったのも分からないくらい熟睡していた。
寝返りを打って、毛布を引っ張る。
そして、ふと物音に気が付いた。
体調も悪いので、いつもの体内時計は働かないみたいだ。
何時なのだろうか?
眠い目を擦り視線を上げる。
「行くの?」
ゆっくり顔を向けると、彼は珍しくスーツを着ていた。
気合が入っているのだろう。
いつもラフな格好が多い彼。
たまにみるその姿は新鮮だった。
「午前中に柴田先生のところで、桃と最終調整をするんだ」
ネクタイを締め、それから蒼の額に手を当てるためにベッドの上に乗りかかる。
ベッドが軋んだ。
「熱は下がったね。もう大丈夫かな?発作もなかったし」
「うん……。本番は?」
目を擦り擦りなんとかする。
ここのところ病院では、安眠できていなかったので、いっぺんに眠さが押し寄せてきている。
ちょっと気を抜くと眠ってしまいそうだ。
思考回路も働かない。
「本番は2時過ぎ」
「2時……」
ぼんやりしている彼の反応に、関口は心配になる。
本当に聞いているのだろうか?
慌ててもう一度言い直す。
「蒼!2時過ぎだよ!2時!」
「2時……」
うふふと妙な笑いをする蒼。
心配になった。
「蒼!」
「ん?」
両手を着き、蒼をじっと見詰める。
「キスしてもいい?」
「は?」
「蒼とキスしたら。頑張れる気がすんだ」
「関口……?」
蒼の答えを待たずに、唇を重ねる。
この前よりも長く。
彼の刺激に寝ぼけていた頭が急に回転を始めた。
「ちょ!まっ……待ってって!」
しかし、蒼の声なんか耳には入っていない。
背中に手を回されて、ぎゅうっと抱き寄せられた。
そうすると、なお深くキスが出来る。
「は、……ふっ」
ちょっと暴れた蒼だったけれど、絡み合う舌の感覚に意識は朦朧とする。
このまま深い淵に引きずりこまれてそうだった。
やばい。
関口のキスはヤバイ。
キスは、初めてではない。
蒼だって、女の子と一度や二度はしたことがある。
だけど、こんな熱いのは初めてかもしれない。
息つく暇も与えない激しいキス。
歯牙を撫でられると、びっくりしてしまう。
ひゅっと関口の袖を握る。
そんな反応が面白いのか。
関口は悪戯に蒼の口腔を侵した。
「んん……っ!」
無理。
もう無理。
このまま行ったらまずいことになりそうだ。
左手を関口の胸に当て身体を離そうをした瞬間。
ふと関口の唇が離れて行った。
荒い息を吐いて関口を見上げる。
彼は真剣な表情だった。
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