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80.家政夫は見た!9
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本庁に戻ると、ちょうど水野谷が星音堂に帰るところだった。
こんな時間までなにをしていたのか?と問われたが、安齋と話し込んでいたとごまかすと、彼は「いいことだ。先輩の意見を存分に取り入れなさい」と言ってくれた。
安齋とは気まずいまま、お別れをすることになり、なんとなく気分は滅入った。
自転車をこぐ力もない。
星音堂に戻ってからも、なんとなく仕事をする気にはならずに、がっかりしたまま定時に帰ることにした。
圭になんと言おう?
わざわざ言う必要もないのかも知れない。
だけど、この件は彼の耳にも入れておいたほうがいいに決まっている。
重い気持ちのまま、玄関を開ける。
と。
玄関先には、大きな男ものの靴と、可愛らしい赤いパンプスが並んでいた。
「へ?」
来客?
男性と女性?
しばらくその場で立ち尽くしていると、けだもに続いて圭が顔を出した。
「あ、蒼。お帰り」
彼は迷惑そうな顔をして、そのまま玄関まで駆けてくる。
「誰?」
「例の。話題の人」
話題の人?
なに?
誰??
なんだか妙に気になって、急いで居間に入る。
中にはショルティが陽気な顔をして座っていた。
『やあ!蒼!今日はどうもね!なんだか恥ずかしいところを見せちゃったね!』
彼はにこにこして手を振る。
そして、彼の隣には。
細身の女性が座っていた。
彼女はゆるく黒髪を巻いている。
20代くらいの女性。
白い肌のせいか、赤い口紅が妙に鮮やかに見える。
初めて逢う人だった。
「お邪魔しています」
彼女は静かに頭を下げる。
誰?
誰??
ショルの連れ?
保住室長は?
どこ?
きょろきょろしていると、圭が紹介をする。
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