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97.マエストロの復活3
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事務室の仕事は委託職員の氏家に任せて。
職員たちはくじ引きで当たった担当部署に散ることになった。
今日は前日なので、いろいろな準備と、ゲネプロが開催される。
オーケストラも入ってきて、星音堂はにぎやかだ。
さらに、施設自体も厳重な管理をされ、星音堂始まって以来の施設内関係者以外立ち入り禁止状態にされている。
やりすぎだろうと、職員たちは笑っていたが、そうもいっていられない状況だったらしい。
本当に、圭一郎の熱狂的なファンたちが、前日からこちらに入ってきていて、ホールの周辺で写真を撮ったり、集まってきたりしているのだ。
施設の中に自由に入ってもらっては困ってしまっていただろう。
そういうところは、やはり羽根田の経験なのだろう。
くじ引きで誰につくかを決めていた。
蒼は星野と一緒に奥川につくことになっていた。
彼女は迷惑そうだったが、二人はへらへらして、適当にごまかしていた。
「ついてくるには構いませんが、私は特になにかをお話ししたりする時間がありませんので。見て知っていいただきたいと思います」
奥川はそう言って、メガネをずりあげた。
「わかりました」
「おう!」
星野はにんまりして蒼と一緒に奥川について歩く。
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