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108.会いたい5
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蒼は携帯でセバスティアンに連絡を入れた。
彼は嬉しそうに部屋に招きいれてくれた。
『蒼!!本当に久しぶり!!』
彼は嬉しそうに蒼をぎゅーっとハグする。
まだまだ慣れない挨拶だ。
蒼は苦笑する。
『今日は一人なの?』
『今日はオフだもの。昨日の夜は演奏会だったからさ』
演奏会の会場は直ぐそばのホールだった。
いちいち、全部の仕事を把握していないせいか、そんな演奏会をセバスティアンがこなしていたとは知らなかった。
『ごめんね。こんなに近くにいたのに。聴きに行かなかったね』
『いいよ。そのうち、みっちり聞かせてあげるよ』
彼はそういうと、ルームサービスを頼もうとメニューを出してきた。
まだまだ子供のセバスティアンには食べ物を。
蒼は軽食とワインを頼んだ。
食事を済ませ、二人は他愛もない話をする。
学生のような時間だと思う。
セバスティアンはマネージャーの悪口とか愚痴を言ったり、ホールの職員の話とか、音楽づくりの話とか、あちこちに話を飛ばしながら話し続ける。
そんな話を聞いていると、なんだか眠くなってしまう。
蒼は、ソファにもたれて瞳を細めた。
『蒼、眠いの?』
『ちょっと、仕事が立て込んでいるしね』
セバスティアンは蒼の隣に座る。
『蒼は小さいんだから、無理しちゃだめだ』
16歳に説教をされるとは思わなかった。
なんだか笑ってしまう。
しかも、本気で心配している顔だ。
『セバスティアンは優しいんだね』
蒼が微笑むと、彼は顔を赤くした。
『だ、だって。おれ。蒼のこと。好きだもん』
『そっか。ありがとう』
『蒼、なんか勘違いしていない?』
『え?』
目を瞬かせて顔を上げると、彼の長い腕が伸びてきて、いつの間にか、ソファに押し付けられる。
え??
そう思った瞬間。
蒼の唇にセバスティアンの唇が重なる。
軽いキスだけど、目を覚ますには十分な刺激だ。
『セバス?』
蒼の声に、彼ははっとして身体を離した。
蒼は驚きで、そのまま彼を見ている。
『子供じゃないんだからね。おれだって。蒼のこと、きちんと守りたい』
彼の言葉の意味を理解し、一気に蒼の顔は赤くなる。
告白?
これって……。
『蒼はおれのこと、子供だと思っているんでしょう?だから、こうして一人で無防備に遊びになんか来て。でも、おれだって大人なんだからね!』
彼はそういうと、蒼の腰に腕を回し、彼の身体を軽々とソファに押し倒した。
年齢は若くても、体つきはしっかりしているし。
まず骨格からして作りが違うのだ。
蒼はやすやすと扱われてしまう。
『ちょ、ちょっと!セバス?』
抗議しようと開かれた口に、今度は深い口づけを落とす。
入り込んでくる舌はぎこちない。
キスなんて慣れていない癖に。
蒼は、ふとそんなことを考える。
キスされておいて、こんなことを考える余裕があるだなんて、なんだか笑ってしまう。
自分には大人の余裕があるということか。
やっぱり、彼のことは子供にしか見られないから。
蒼は慌てることなく、そっと彼の肩を押す。
セバスティアンは顔を上げた。
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