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「紫がΩで、俺らがαだからじゃね??」
安直過ぎない??、と木津が唇を尖らせる。
「ってか、今回の件はやたらと嶋を標的にしているよねぇ??ボクはそこ気になる。」
「オレは身に覚えがない、以上‼」
ざっくりと纏めて、嶋は議題を移す。
「不明点その二。…賭けの内容が、変だっつの‼」
市川が天井を仰ぐ。
「どう考えても、学年主席がクラスメート全員の前で言う賭けじゃないよなぁ~。」
…混乱しているのは、嶋本人だけではないらしい。木津も頷く。
「あれじゃあ、どう考えても紫が不利なんだよねぇ…。」
首を捻る三人だが、かといって何も思いつかない。
下駄箱に到着し、会議は進行する。
「不明点その三。…紫が勝った時の内容がエグい。一つ命令を下せるって、つまり“オレの一生を好きに出来る”とか紫が言い出したら、とんでもないことになるだろ‼」
「そう仮定すると…嶋の人生が、気安く売買されていったね。」
木津の言葉に、市川が応じる。
「しゃーねぇべ。…紫も、人生を賭けるかもしれないんだから。」
嶋は両手で目元を覆う。
「…だからって、もちっといいもん賭けろよ…。」
呻く嶋に、木津が顔を覗き込んでくる。
「…嶋はいらないの??紫の人生。」
「…どうぞご勝手にオレに寄りつかずお過ごし下さい、だし。オレが勝っても、言うのはそれだけだ。」
ふむ、と木津が顎に手をあてる。
「やっぱり、この賭けはなんかあるよなぁ。」
「オレとしちゃ、正直紫がとち狂っていて、明日にでも菓子折り持ってくるに一票。」
手を伸ばし、嶋は自分の下駄箱を開けた。すると、大量の手紙がざばーと彼の足元に溜まる。
「…いや。これはどう考えても…。」
木津がその小山を見下ろし、心底残念そうに横の嶋を見遣る。
「…紫が嶋を好きなんじゃない??じゃなきゃ、嫉妬からのあてつけ。」
小山を見て、市川が短い悲鳴をあげた。
「だから‼なんでお前はそんなにモテるわけ!?ってか、俺も大和もそんなにモテねぇぞ‼?」
「…知らねェよ。」
嶋は億劫そうに屈みこみ、封筒の小山を無造作に薄っぺらい学生鞄に押し込んでいく。そういえば、と半眼で木津が口を開く。
「…今日の昼休みも、嶋はどこかに行っていたよね??」
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