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「うぐぐぐ…。」
嶋は半泣きで、市川に詰め寄っていた。
「なぁ、オレは今日の飯を口にしていいのか!?何かしら理由つけて、お前らと外で食った方がいい??」
困った末、市川は思考を放棄した。
「…そんなの紫本人に直接聞けよ~。」
市川の情けない声が、ゲームセンターの騒音にかき消されていく。熟考している様子の嶋に、木津が助け舟を出してやる。
「…それなら、嶋も何か対抗策を出せば??」
肩眉を持ち上げ、嶋は首を捻る。
「…対抗策??」
「そう。紫がツンケンしているのは、何かの作戦だと思う。」
木津の言葉に市川が挙手して声高に返事をし、ついでにぴょんぴょんとその場で小さく飛び跳ねて見せる。
「あ~、俺も賛成‼絶対、αを挑発して自分を抱くよう仕向けているとしか思えねぇよな。」
じりっ、と嶋が後退る。
「あ…、あの陰湿なイジリにはそんな意味があったのか‼?」
賭けで嶋は、相手の良いように動かされつつあった。…茫然とする嶋の肩に腕を回し、市川はぽんぽんと叩いてやる。
「そうだぞ~??Ωってのは、やることコスいからな~。だから、智明も紫にどんだけボッコボコのこてんぱんに言われようと、押し倒して黙らせて言うこと聞かせるのはなしな。」
嶋は顎に手をやり、静かに瞳を伏せる。
「そうか…。」
「そうそう。あの手の輩は、一度ヤりゃ、『二度も三度も変わらない』って強引に迫ってくるからな。こっちも味をしめちまうし…。Ωにはフェロモンっつー最終兵器があるから、一度でも手を出せば体よく言いなりにされるの間違いなし。」
「ほう…。」
友人の言葉に頷きつつ、嶋はそろうりと目を彷徨わせる。
(っつーか、良太。ずっと言ってなくて、悪いんだけど。)
「まぁ、お前は今までずっと女バイキング状態ってくらいモテにモテていたし、今更野郎に手を出すほど困っちゃいねぇだろうけど‼」
(オレ、童貞なんだよね!?)
黙り込む嶋に、木津が市川を嗜める。
「ちょっと、良太。やめなよ。嶋が困っているじゃん。」
嶋はほっと胸を撫で下ろす。
(よかった。木津は観察眼が強いから、オレの童貞なんて当然…。)
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