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「っじゃあ、予定とかはLIN⚪でっ!」
「あ、うん、わかった。」
そう言って扉がしまった。
ふぅ……とため息を吐いて、リビングに向かった。
あんまり人と関わるのは嫌なんだけどな……
まぁいいや、と思いながらリビングのソファに座ってつけっぱなしだったテレビを見た。
「ん……」
パチッと目を開ける。
いつの間にか寝ていたようだ。
「あ、よかった、テレビは消してた」
記憶にないが、寝る前の自分を褒めてやりたい。
そんなことを、まだフワフワしている頭で考えながら立ち上がる。
すると、携帯がなる。
誰からだろ…とおもいながら連絡主を見てみると
「っ……!?」
凪からだった。
出なきゃ怒られると思い、ぱっと応答ボタンを押す。
「っはい……」
『あ、夏、今からいつものとこ来い。』
いつものところ…
いつものところとは、よく凪に呼ばれる場所、バーだ。
スマホから聞こえた声の中には、凪の他に数人の男の人の声が聞こえた。
(っ嫌な予感がする…)
『おい、返事は』
不機嫌になったような声で凪がいうので、反射的に「っはい」と言ってしまう。
『早く来いよ』
そう残し、ブチッと電話が切れる。
はいって言った以上は行かなきゃいけないけど……
何故か嫌な予感がする。
とりあえず震える体をなんとか落ち着かせて、水を飲む。
ふうっと息を吐いて、ぎゅっと裾を握る。
大丈夫、大丈夫だ。
へいき、と心を落ち着かせて、外に出る準備をし始めた。
「おっそいな…」
いつものバーに行くと、さっき聞こえた複数の声の主と、不機嫌な凪がいた。
無理に笑顔を作って、震える手を後ろに隠す。
「っどうしたんですか?」
「あぁ、俺さ、お前のこの前の勝手な行動をまだ許してないんだ。」
そう言われて、思わず唾を飲み込む。
「だからさ、ちょっとお仕置きしようかと思ってな」
そう笑顔で言う凪の後ろで、男の人達が服を脱ぎ始める。
サァっと顔が青ざめていくのがわかる。
嫌な予感が的中した。
僕は、この人達に…
「なぁ、ほんとにこの子使っていいのか?」
「俺ちょータイプ、この子」
そんな興奮したように上擦った声が何個も聞こえてくる。
そんな声に、耳を削ぎたいほどに嫌悪感を感じる。
もう笑顔なんて作れない。
「あー、壊れない程度な」
そういった凪は、薄く目を細め微笑んだ。
ゾクッと背筋が冷たくなり、慌てて店を出ようと走った。
「逃がすかよっ」
店から出て全速力で走る。
走りながらスマホを取り出し、何故かゆう兄に電話をかけた。
運良くワンコールで出てくれる。
『はい』
「っゆう兄!助けてっ...!」
必死に叫ぶと、ゆう兄が『夏?』と真剣な声になっていく。
「いまっ追いかけられて...」
そう言いかけた瞬間、スマホを持っていた手を誰かが掴んだ。
ぱっとそちらを見ると、とても冷たい眼差しで僕を見る凪がいた。
息が乱れている様子もなく、まるでロボットのような佇まいだった。
「ヒッ...」
「逃げんなよ、俺怒ってんだけど」
地の底のような低い声で凪が言い、ビクッと肩をすくめる。
「とりあえず電話は没収な」
そう言って僕のスマホを取り上げる。
その後、手首にあとが出来そうなほどに握られながらバーに戻った。
僕の肩はずっと震えていた。
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