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カミナリさん
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簓→「」
蘆笙→『』
ピカッと光り、ゴロゴロ、ドカーンとまるで何か爆発したかのように大きな音を立てて雷が鳴り響く
「なんや今日は、天気が悪いなぁ」
『せやな』
軽い返事と共に簓にコーヒーを渡す
「ありがとさん!いただくわ」
いつもの調子で言う簓だが、こいつが雷が怖いという事は長い付き合いであるので勿論知っている。
今も何にもない風に装ってはいるが、俺には今の簓が何を考えているか、思っているか分かるような気がする。
長い脚を放り出して器用に1人がけのソファに寝転んでいた簓が突然起き上がる。そしてコーヒーを持って立ち上がり俺が座っている2人がけのソファへ座る。ごく自然に。こいつがこんな風に無言で傍に来る時は、今みたいに雷が鳴っている時、もしくは何か辛いことがあったり、不安な時。
「カミナリさんがごっつ怒っとるな。蘆笙、なんか怒らすようなことしたんちゃうんかー?」
『あほか、カミナリさんが怒るような事なーんもしとらへんわ。お天道さんと喧嘩したんちゃうか』
「おーさすが蘆笙先生やわ」
『何がや』
こんな会話をして俺たちが笑っていても、カミナリさんには関係ない。大きな音を立て続ける。同時に簓の不安を煽り続ける。
簓が少しづつこちらへ近寄ってくる。だから今となってはお互いの体温が分かるまでにくっついている
耐えられず俺は、簓を後ろから抱き締め、2人がけのソファに脚を伸ばす
「蘆笙あったかいわ」
何事もない、ごく当たり前のように俺に体を預け言う
『はぁ、お前なぁいっつもみたいに素直に気持ち口に出せや。怖いんやったらいつでもこうやって抱き締めたる。辛かったら慰めたる。せやから、、』
「あ"ぁーもう蘆笙には適わんな。じゃあな蘆笙お願いがあるねん。今日は俺の事抱き締めて寝てや?せやないと怖て寝れんから」
そう言って俺の胸元に顔を埋める。ほんま可愛いやっちゃ
_______________
昔から雷が鳴ると無意識なのか俺の傍に来る癖のある簓。付き合い初めてからは簓が無言で近寄ってくると、俺も何も言わず抱き締めたり、手を握ったりしていた。そして、雷も鳴っていない時には、何も言わず傍にいてやった。昔から当たり前の日常だった。これからもこれで良かったのだが、やっぱり簓からちゃんと気持ちを伝えて欲しかった。簓はいらんことばっかり言うから、辛い、痛い、怖い、本心は口に出さないから。
『これからはちゃんと俺には伝えてや?ほんまの気持ち』
「しゃーないな、大好きな愛方からの頼みやで聞いたるわ。」
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