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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
合流5
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「畏れながらお説教を続けさせて頂きます、陛下。我ら臣下一同、陛下のご命令とあれば、いついかなる時もどのような場所へでも、必ず馳せ参じましょう。しかしながら、それにしても此度のこの招集は、些か急が過ぎるのではないでしょうか? この時期に、王陛下はおろか宰相までもが国を留守にするなど、前代未聞、……ではないあたりがグランデル王国が他国から笑われる所以である訳ですが、」
ごほん、と咳払いをした宰相が、王を睨む。
「とにかく、お願いですからもう少しお早目のご連絡をお心がけください。お陰様で、」
「留守を任せる準備に二日。ここまで来るのに一日、と言ったところか。さすがはレクシィ、私が期待した通りの仕事をこなしてくれるな」
にこりと笑った王に、レクシリアがぐっと言葉を詰まらせて視線を彷徨わせる。
「ちょっとアナタ、またそうやって簡単に誑かされるんですから。大好きで大好きでたまらない王陛下に褒められて嬉しいのは判りましたから、説教くらい最後までやり通したらいかがです?」
「判っています。それから、別に大好きではありません」
呆れたようなグレイの言葉にレクシリアが反論したが、グレイは残念なものを見る目で宰相を見返したのだった。
「というか国王陛下」
レクシリアから国王に視線を移したグレイが、ちらりと少年を見る。探るような視線に居心地の悪さを感じた少年は、しかしグレイの見た目に内心でとても驚いた。
「そちらの方は、どなたです? 随分オレに似ていらっしゃる気がしますが」
グレイ言葉の通り、少年とグレイは、年齢こそ違うものの、兄弟かと見紛うほどに似通っていたのだ。
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