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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
合流6
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「まさかそいつもエトランジェなんじゃ」
「いいや、違うな。この子はキョウヤ・アマガヤ。正真正銘この世界で生まれた子だ。お前と違ってな。まあ後できちんと説明してやるから待て。なんとはなくだが、予想はついている」
きっぱりと言い切った王に、しかしグレイは眉を寄せた。
「……天ヶ谷って、やっぱり同じじゃあないですか」
「あ、あの、どういうことですか……?」
おずおずと尋ねる少年に、王が答える。
「そこのお前によく似た男の名は、グレイ・アマガヤ。色々あって別の次元からやってきた|異邦者《エトランジェ》なのだ。ついでに紹介すると、あちらの金髪の美形は、レクシリア・グラ・ロンターと言ってな。グランデル王国の宰相にして、ロンター家の当主でもある、私の従兄弟だ」
王の言葉に、レクシリアが軽く会釈する。
「はじめまして。レクシリア・グラ・ロンターと申します。この度は我が国の陛下が大層ご迷惑をおかけしたそうで、大変申し訳ありません」
「え、いえ、そんな」
「おお、そうだ、レクシィ」
「……そのレクシィという呼び方は女性名を彷彿とさせるので止めてください、と何度もお願い申し上げているはずですが」
「元々お前の名前は女性名だろうに。そんなことはどうでも良いから、キョウヤのこの怪我を治してやってくれんか。知っての通り、私は回復魔法が使えんのだ」
その台詞に、レクシリアが盛大な溜息を吐くのとグレイが叫ぶのが、同時だった。
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