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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
合流10
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「あ、あの、すみません。宰相様にこのようなことをして頂いてしまうなんて……、本当に、申し訳ありません」
「なに、お前が気にすることはない。どうせ使った魔力のほとんどは私の腕の治癒のためのものだ」
「テメェが言わないでくださいませんかロステアール国王陛下?」
「そう突っかかるものではないぞ。一国の王を何だと思っているのだお前は」
「ポンコツ」
即答したグレイに、王はやれやれと苦笑した。少年は貴族と触れ合ったことなどないので全く判らなかったが、どこの国の王と臣下もこのような、なんというか、砕けた関係なのだろうか。
(多分違う気がする……)
「取りあえず、レクシィはライガに乗せてしまおうか」
「あっ、テメ!」
グレイが止める間もなく、王がグレイの腕からレクシリアを奪って担ぎ上げる。さすがの王も片腕では無理だったようだが、それでもこの体格の成人男性を難なく抱え上げられるところは流石である。そのまま王がライデンにレクシリアを乗せると、王を押しのけるようにしてグレイがライデンの横に立った。そんな様子に、王が呆れたような顔をしてみせる。
「お前は本当にレクシィが大好きだなぁ」
「うるせェ、悪いか」
「誰も悪いとは言っていないだろうに。なあ、キョウヤ?」
「は、はい?」
振り返った王に急に話題を振られ、少年は素っ頓狂な声を上げてしまった。
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