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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
金の王6
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「それでは、王宮にお邪魔するとしようか」
「あ、あ、あの、僕、」
行きたくない。とても行きたくない。
だが、王に止まる様子はなく、彼は少年を抱いたままさっさと王獣に跨ってしまった。少年が思わず助けを求めるようにグレイの方を振り返れば、彼もまたレクシリアを乗せているライデンに跨りつつ、憐れむような目でこちらを見ていた。
(そ、そんな顔するくらいなら助けてください……)
そう思った少年だが、まさかそれを言う訳にもいかず、結局王の膝の間で身を縮こませるしかなかった。
「ロステアール王、もしや、王獣に乗って行かれるおつもりなのですか……?」
恐る恐るといった感じのギルヴィスの言葉に、グレイは内心でこれが真っ当な反応だよな、と思った。
「こいつしか丁度良い騎獣がいなくてな。本人もやる気のようだし、まあ、構わないだろう」
だから王獣を騎獣扱いするな、という台詞を期待したグレイだったのだが。
「……なるほど、王獣にそこまで認められるとは、やはりロステアール王は素晴らしいお方だ」
(おーい、誰かツッコミ入れてくれー。認められるとか認められないとかじゃなくて、王から王獣から国民から、何から何まで頭おかしいだけだぞー)
グレイの心の声は、しかし当然ながら、誰にも届かなかった。
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