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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
金の王8
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「つまりだな、キョウヤは恐らく、どこか別の次元のお前の血縁者の魂が、この世界にリサイクルされたものである可能性が高い。無論、この世界のキョウヤの血縁者の魂がリサイクルされたのがお前だ、という可能性もあるが、どっちにしろ変わらん。順番など、大して意味を持たんからな」
「……ということは、オレとこいつは……?」
「いつかどこかの次元で血縁関係にあっただろう、他人だ」
結局のところ、他人らしい。
なんだそのオチは、と思ったグレイだったが、まあこの王が言うからにはそうなのだろう。
だが、王は少しだけ考えるような顔をしてから、しかし、と口を開いた。
「ことお前に関しては、基本法則が成り立たない可能性がある」
「……オレがエトランジェだからか」
「ああ、お前は元々この次元にとっては異物だからな。基本的に同じ次元に同じ魂が複数存在することはあり得ないが、お前はその法則の外にある。これにより浮上するのが、お前とは別にこの次元のアマガヤグレイがいるという可能性だ。だからと言って何がどうということはないから、特に気にすることもないだろうが。ただまあ、キョウヤが本当にエインストラで、その血縁者としてのアマガヤグレイが存在していた場合、お前とそれを混同した帝国が、間違ってお前を狙うことはあるかもしれんな」
さらっと飛んでもないこと言った王だったが、その可能性は低いだろうし、グレイはそれについては気にしないことにした。
一方の少年は、やはり王の説明は難しく、いまいち理解できなかった。判ったことと言えば、グレイと自分が他人だということくらいである。
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