アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
金の王11
-
「お二人はもうお付き合いされていらっしゃるのですか?」
「いや、キョウヤは少々恥ずかしがりやでな。心の準備をする時間が必要なようなのだ」
「ああ、確かに、偉大な王の恋人となれば、それは準備も必要というものでしょう。しかし、本当にめでたいことです。心より祝福申し上げます」
「ああ、ありがとう」
少年をそっちのけでどんどん会話が進んでいるが、少年は少しどころか盛大に待って欲しかった。色々とおかしいというか、最早おかしくないところがない。だが、だからと言って王同士の会話に口を挟む勇気もない。
「キョウヤさんも、おめでとうございます」
「え、あ、えっと、僕は、その、…………はい……」
ものすごく歯切れが悪い肯定を返し、少年はぎこちなく微笑んだ。笑顔のギルヴィス王の祝福を否定することなど、庶民の少年にはできなかったのだ。
「まあ、私の方の理由はそれだけと言ってしまえばそれだけなのだが、どうやら帝国側にとってはそうではなかったようでな」
「と、言いますと」
「これは正真正銘私も想定外のことだったのだが、どうやら帝国は、キョウヤをエインストラだと思っているらしい」
その言葉に、ギルヴィス王が目を見開く。
「エインストラ!? それは本当なのですか!?」
「帝国がそう思っているだけだ。……が、今思えば、キョウヤの右目が特徴的なのは、それが理由なのかもしれんな」
右目、という単語に、少年は目に見えて肩を震わせた。その頭を、赤の王がそっと撫でる。
「心配するな。ここでその目を晒せとは言わん」
「……はい」
二人のやり取りを見て、ギルヴィスは慎重に言葉を選びつつ口を開いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
178 / 228