アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
円卓会議5
-
「存じ上げておりますとも。しかしグランデル王の言葉は正確ではありませんね。帝国の介入があったのはギルディスティアフォンガルド王国だけでなく、貴国グランデルと我が国ミゼルティアもでしょう」
責めるような青の王の言葉に、赤の王は少しだけ驚いた表情を浮かべてみせた。
「これは、既にそこまでご存知だったか。いや、まさにその通り。貴国の使者を操り我が国からとある物を盗んだ帝国は、あろうことかそれをギルディスティアフォンガルド王国で売りさばこうとしたのだ」
「ええ、それを貴方とギルディスティアフォンガルド王でご解決なされたとか。さすがは仲の良いことで有名な赤と金。関係者である我が国を蚊帳の外に、手を取り合って対処なさったということですね。素晴らしい友情に感動を禁じ得ません」
とてもではないが感動している人間が出すようなものではない冷たい声で言った青の王に、赤の王は浅く頭を下げた。
「それについては大変申し訳ないことをした。しかしながら、始めからギルディスティアフォンガルド王と共に行動した訳ではないのだ。よって、此度の判断に彼の王は一切関与していない」
「それはつまり、貴方が独断で動いたということでしょうか」
「その通りだ。私一人で対応できる案件だと判断し、貴殿とギルディスティアフォンガルド王の手を煩わせることもないだろうと、単身で対処に当たった」
赤の王がそこまで言ったところで、次の発言を遮るように、銀の王の拳が机を叩いた。決して強いものではなかったが、やけに室内に響いたその音に、王たちが銀の王へと視線を移す。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
191 / 228