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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
円卓会議15
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きっぱりと言い切った金の王の頭に、橙の王の大きな手が伸びた。そして、少々乱暴な手つきで淡い金髪をがしがしと撫でる。
「良く言ったぞ、ギルヴィス王! なに、心配はいらんさ。隣には儂もグランデル王も控えているからな。なあ、グランデル王?」
「勿論だ。微力ながら、お力添えしよう」
「わはははは! グランデルの軍事力が微力なら、他の国はどこも微力未満ではないか!」
豪快な大声の主を青の王が割とすごい形相で睨んだが、橙の王は気にするどころか気づいた様子もなく、相変わらず金の王の頭をぐしゃぐしゃと撫でている。力加減というものがあまり得意ではないらしい手に揺すられ、幼い王の頭がぐらぐらと揺れた。見かねた薄紅の女王が咎めてくれたのですぐに手は離れていったが、そうでなかったら金の王は気分が悪くなっていたかもしれない。
「……致し方ない。それでは、ひとまずは幼王に任せることとしよう。だが、お主には無理だと判断した時点で、エインストラ候補の身柄はこちらに引き渡して貰う。よいな?」
否の回答を許さぬ銀の王の声に、金の王は姿勢を正して頷いた。
「承知致しました」
銀の王相手にこれだけ譲歩させたのだ。十分だろう。少しだけほっとした気持ちで赤の王を見れば、彼は目だけで微笑み返してくれた。どうやら、彼の王の期待には応えられたようである。
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