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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
国王の招待10
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入り口に立って少年とレクシリアを交互に見たグレイは、こてんと首を傾げて口を開く。
「おや、堂々と浮気ですか? リーアさん」
「なんで俺がロストの恋人と浮気しなきゃいけねぇんだよ。……っと、悪い、また触ってたか」
どうやら頭を撫でたのは無意識だったようで、レクシリアは慌てた様子で少年の髪に触れていた手を離した。
「丁度良い位置に頭があるからか、どうにも自然に頭撫でちまうな。本当にすまん」
「あ、いえ、お気になさらないでください」
国王や宰相といった肩書の人間よりはまだ話しやすそうなグレイが来たからだろうか、ほんの少しだけ落ち着きを取り戻した少年は、そこでようやく、先日の事件のときの礼を満足に言っていないことを思い出した。
「あ、あの、先日は宰相様と秘書官様には大変なご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
慌てて深々と頭を下げた少年を見たグレイが、次いでレクシリアに視線を投げた。
「随分畏まってらっしゃるじゃあありませんか。国王陛下の恋人をいじめるなんて、宰相としていかがなものでしょう」
「いじめてねぇよ! ほら、キョウヤも気にすんな」
「リーアさんの言う通り。悪いのは全部あのポンコツ王だ」
「国王陛下の恋人になんつー口の利き方してんだお前」
「アナタが素で喋っているので、オレもそれで良いと判断しました」
しれっと言ってのけたグレイに、レクシリアが溜息をつく。
「敬語で接した方が良いならそう指導するが、キョウヤはどうしたい?」
「え、いや、あの、僕は別に、皆さんの話しやすい方で……」
「じゃあこのままで良いですよね、リーアさん」
にっこりと笑ったグレイに、レクシリアは再び深い溜息を吐き出した。
「というかお前、何しに来たんだよ。ノックもせずに入ってきやがって」
「アナタと恋人候補サマを探してたんですよ。あの馬鹿男が、明後日の式典に合わせてキョウヤの衣装も用意しようとか言い出したので、衣装合わせをして頂こうかと。さすがに今からオーダーメイドの服を用意させる訳にはいかないので、既製品にはなってしまいますが、まあないよりは良いでしょう」
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