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〔-3‐〕
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その時だった。
パシッ……
掴まれた手が解放された。
顔を上げて見ると、さっき呼ばれて席を外していた折原様が立っていた。
「何すんだっ!」
「何するんだ、じゃない。嫌がってるやつを苛めんな」
バサッ……折原様が着ていたジャケットが肩にかかる。
「大丈夫、俺は平気だから」
「えっ、えっ……」
平気だからって……えっ、この人……俺のフェロモンで発情してない……?
もしかして優真と同じわからない人……?
でもフェロモンのこと……
いろいろ訳わかんなくて混乱する。
「歩ける?その状態で」
折原様の目線の先には俺の股間。勃ってるから……その状態で大丈夫かってことだよな……
「え、えと……」
は、恥ずかしい……エロい目線で見られてるわけじゃないけど、ジロジロみられるのは恥ずかしすぎる。
「…わかった。ちょっとごめんね」
「……ひぇ!?」
フワッと体が浮いたと思ったら、折原様が俺をお姫様だっこしていて。
「俺のジャケットで隠しておきな」
「え、え、あ、あの……重いです……」
「大丈夫。むしろ軽い。あぁ、まぁ気になるなら病人っぽくしておけば何とかなる」
俺を抱えた折原様は部屋を出て、俺を車まで連れていった。
「大丈夫?家まで送るよ」
「え、あのっ……もしかしてっ、純佑様から俺のこと……」
「うん、ちょっとね。前に純佑の家に行ったら発情期間?の梓くんに会ってね、そのときに聞いたんだ。あ、仕事のことやあいつらのことは気にしないで。俺が片付けておくから」
「あ、ありがとうございます……」
そうか……だから驚かなかったんだ。俺が発情しても平然としてた。
「純佑には話してある。終わるまで休めって」
忙しい時期なのに……何でこんな時に限って……
「ハァハァ……」
体が熱い。頭がぼーっとする。
「ンッ……」
快楽を求めて手が勝手に股間の方へ。
こんなことしちゃいけないのに……折原様の目の前なのに……
ガマンできない……
布越しに触ろうとした。その時。
ピリリリ……
着信音が鳴った。
「ちょっとごめん……」
「は、はい……」
あ、あぶねぇ……もう少しで自慰しようとしているところを見られるところだった……
「はい。……えっ、今からですか……ちょっと……はい、今運転中なのでまたかけ直します。はい、失礼します。……染谷さん、ごめん。急用が入ってすぐに戻らなきゃいけなくなった……」
「だ、大丈夫です……俺のことはしんぱいっ、しなくて大丈夫です……」
「家、この辺から近い?」
窓の外を見ると家の近くのコンビニが見えた。ここからなら歩いて5分くらいで着く。
「はい……っ、この辺で降ろしてくださいっ……」
「わかった」
車が止まり、外に出る。
今なら人通りが少ない。急げば何もなく帰れる。
「ごめんね、家まで送れなくて」
「いいえ……あ、りがとうございました……」
「何かあったら連絡して、じゃあ気をつけて」
折原様を見送った後、俺はその場にしゃがみこんだ。
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