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〔-2‐〕
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歩いても歩いても全然家にたどり着かない。
さっきの男はさっきの痛みでフェロモンから解放されたのか、追いかけてはこなかった。
良かった……と安心するのも束の間。また男が通りかかる。
今度は2人組。この辺から会社が近いのかコンビニに買い物をしていたようだ。
さっきは1人だったから何とかなったけど、2人じゃどうにもならない。
急いで携帯を取り出し、俺はとっさにあの男にかけた。さっき声が聞こえたあの男。
『もしもし……』
「…っ……もしもしっ……ハァハァ……」
声を聞いただけなのに……ヤバい……
力が抜けてまたしゃがみこんでしまった。
『空邪さん、どうしました……?』
「よ、ていより……早くきちゃったっ……ハァハァ……」
『予定より早くって……もしかして今……今、どこにいるんですか?』
「家の近く……さっきまで仕事っしてて……逃げてっ……」
声だけなのに……反応して下着が濡れてきてしまった。
『今、家にいないんですか!?』
「んンッ……動けないッ……」
こんなグチョグチョのままで、動けるわけない。
通りかかる男2人組が俺の横を通り過ぎる。
幸いなことに横を通り過ぎても2人が俺に話しかけてくることはなかった。
ふぅ……何とか助かった……
『今から行きます。だからそれまで我慢してください。通話はそのままで。……大丈夫。いい子で待ってて』
翔空の声が優しい。聞いてて安心する。
「…待ってる……」
通話状態にしたまま、いったん耳元から携帯を外し呼吸を整える。
あいつがどこにいるかはわからないし、どのくらいでここにくるかも予測不能。だからせめてまた襲われないようにしないと……
なるべく人目につかない場所に移動して、翔空を待つ。
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