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事後
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「はあぁ…」
どちらからともなく、ため息をついていた。
狭い掃除道具入れの中で素肌で密着しているのが気持ち悪い。
「もう出ていいかな?」
「……そうだな」
由比はあからさまにがっくりと落ち込んでいる。
掃除道具入れから出て、急いで服を着た。正気になってみると恐ろしい。絶対椿香水のせいだ。由比なんかとあんなにノリノリでセックスしてしまうなんて。挿入までしなくて本当によかった。俺の処女は守られた。
「なんでお前なんかと…この俺が…」
由比も同じようなことを思っているらしい。でもなんか、はっきり言われるのは腹立つな。
「…お前、Ωじゃないんだよな?」
「そんなのどうでもいいじゃん」
「は?!」
「それよりさ、由比とツバキはどういう関係なんだよ」
セックス中も気になって仕方なかった。今まで椿原が由比について何か話しているのを聞いた記憶はない。それなのに由比は、椿原のフェロモンまで知っていた。
「どうって別に…」
「付き合ってる…わけじゃないよね?椿原はそんなこと言ってなかったし」
「…それこそ、どうでもいい話題だろう。問題はβのお前からΩのフェロモンらしきものが出てたってことで…」
「片思い?」
「…はあ?!」
由比は裏返った声を上げた。わかりやすすぎる。
「ふーん。片思いなんだ」
「勝手に決めつけるな」
「でも、正解でしょ?ツバキのこと、好きなんでしょ。俺のこと椿原って呼んで抱くくらい」
「だから、それは……」
由比は少し迷っていたが、観念したのか大きく息をついて答えた。
「…ああ。そうだよ。俺は椿原が好きだ」
「ふぅ!ゆいゆいかわいーい」
「お前…絶対に言うなよ…?」
「大丈夫!こっそり手伝ってあげるから!」
「そういうのいいから」
「わかったわかった」
「こいつわかってない…」
由比は天を仰いだ。
セックスと関係ない話をすることで、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。さっきはかなり醜態を晒してしまったけど、このまま由比も忘れてくれるかな。
…なんて思ってたのに、由比のやつ、蒸し返してきた。
「…で?」
「ん?」
「結局どうしてお前から椿原のにおいがしたのかわかってない」
「またそれ?どうでもよくない?」
「俺はαなんだ。襲った相手がβかΩかでだいぶ意味が変わってくるだろう」
「はあ…。生徒会長が男をレイプしたって事実は変わらないと思うけど?」
「レッ……いや、だから、その意味が変わってくる…というか、レイプじゃなかっただろ?!お前がフェロモン出して誘ったんじゃないか!」
「俺は根っからのβで、フェロモンなんて出せないよ。言いがかりはやめろよ」
「は…?!」
「騒ぎにしてほしくないなら、フェロモンのことは忘れてよ」
「な、なんで俺が脅されてるんだ…?」
なんだかんだ由比はちょろい。お互い色々ともやもやしているけど、このままにしとけば大丈夫だろう…うん。
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