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はじまり
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学園の入り口、校舎の玄関ではなく学園の門まで来た豹。
この学園は山の上にあり都市部からは離されている。学園の敷地から出る時はこの門をくぐり外出許可を貰わなければならない。もし無言で外出すればペナルティーが課せられるし、酷ければ退学さえあり得る。まぁ抜け道はあるのだが、それはまた今度。
「すみません、外出許可頂けませんか?」
門横の詰所に常時居る警備員に声をかける。
「学生証の提示をお願いします」
出てきた警備員に学生証を渡す。
本人確認はきちんと行わなければ後々問題になった時に対処出来ないからだ。それに学園の生徒はすべて上層部が管理している。何かあれば学園にも責任が問われるわけで、そこら辺は学園側も徹底して行っている。
「外出の目的を教えて頂けますか?」
無論ここら辺も徹底している。
前に外出した生徒が警察沙汰の事件を起こしたことで、外出する目的を話す事が義務付けられている。
「お友達と会うので」
「それでは午後8時までにここへお戻り下さい」
「分かりました」
「行ってらっしゃいませ」
ただ安易適当な回答でも可。
生徒の中にはどこに行くか知られたくない者もいるし、上流階級の生徒は家に内緒で外に......等、余計に知られたくない者も多い。嘘の回答も見抜かれなけば可。
門を出ると黒い車が羅列している。
この車は送迎車、学園専用のタクシーみたいなものだ。
そのうちの一台に乗車しドアを閉めると車は静かに動きだす。運転席と後部座席の間はカーテンで遮られている為、こちらからは運転手は見えない。それは運転手側も同じで向こうからも生徒は見えないようになっている。これは先程の外出目的と同じで生徒の中には知られたくない者もいるからだ。
座席の前に設置されたタッチパネルには都市部の地図が投影されており、行きたい店、駅、場所を指定すればその情報が運転席側のタッチパネルに伝送される。
うねった山道を車は降りる。昼間であるのに鬱蒼と深緑に揺れる木々、葉。然して面白味のない山道を車はひたすら降りる。少しするとこれまた大きく豪勢な門が見えてきた。あの門までが学園の本当の敷地。学園は校舎が建つ山を丸々所有している為、その門からが敷地、その門までが敷地なのだ。
豪勢な門を抜けると都市部は直ぐに見えてくる。
国で一番栄える都市は人で溢れかえり昼間なのに人工光が光っている。
タッチパネルに選択した駅で降ろしてもらう。
ちなみにこの車の代金は学園持ち。
ガヤガヤと多くの人の足音、会話、通る電車やバス、車の騒音に眉をしかめた。
都会特有の騒がしさ。都会が苦手なわけではないが好きなわけでもない。学園内に居ればこんな所に来る必要はないし、何より豹は騒がしい場所は好んでいない。苛立ちはしないがこの騒がしさは......しかめた顔はもと通りに戻ったが目的の場所まで少し早く足を進めた。
大きな通りから少し横路に逸れると先程の騒がしさとはうってかわり薄暗い静けさが豹を包む。
少々柄の悪い連中が彷徨き豹を見ると頭を下げる。道を間違えた訳ではない、目的の場所はこの先だ。
だんだんと暗く細くなってきた路地の突き当たり。それを右に入るとアンティーク調の扉が現れた。焦げ茶色のウッド扉に金の持ち手、扉にはopenと書かれた黒板が掛けられていた。こんな物騒とした場所だけれどこの店だけは気品を感じる。その扉の持ち手を迷うことなく引き開けた。
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読んでいただきありがとうございました(*^^*)
すみません、今回は短かかったですよね......
次のお話もよろしくお願いします。
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