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17.
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side慧杜
まっすぐこちらを見てお礼を言う彼は綺麗な瞳をしていた。
(可愛いな…)
同性恋愛に対する偏見は全くないが、まさか今日が2回目来店のお客様にそんな感情を抱くとは万に一つも思っていなかった。
「こちらこそありがとうございます」
再び彼の目を見つめると、少し顔を赤く染めながら目を逸らした。
下を向いてしまった彼をそのまま見ていると梓佐がこちらを興味深そうに眺めていたので、ひと睨みした。
梓佐は軽く噴き出したが、気を取り直したのかそういえばと神木さんに話しかける。
「神木さんはお酒好きなんですか?」
「…俺、まだ未成年ですよ…」
「存じてますよ。ですが、こっそり飲んだことはありませんか?」
「え、あ、えと…」
目を泳がせながら答える彼が面白くて、自然と表情が緩む。
「…少しだけ…甘いのが好きです…」
「はやく飲めるようになるといいですね」
「…はい」
梓佐の言葉にはにかみながら微笑む彼に、俺も声をかけた。
「その時は心を込めてお作りさせていただきます」
彼は一瞬キョトンとしたが、意味を理解したのか、確認するように伺うような目で見つめられた。
「神木さんにカクテルをです」
「…ありがとうございます」
俺の言葉に彼は、ふわりと微笑んだ。
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