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22.
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side悠
パシッ
音がした方に目を向けると、怒鳴っていた男性の腕を掴む梓佐がいた。
(梓佐さん…?)
「無防備な相手に手をあげるのはどうかと思いますよ?」
「梓佐にぃ…」
腕を掴んで話さない梓佐に向かって、男性は怒鳴り散らしている。
梓佐は瑠依を自分の後ろに庇うように立つ。安心する瑠依を見て瑠依が安全になったことを確認する。
しかしその間も男の怒鳴り声を張り上げ、その声に段々と呼吸の仕方が分からなくなってくる。
(落ち着け…ちゃんと深呼吸しなきゃ…瑠依は大丈夫だから…)
瑠依が殴られると思いつい立ち上がってしまったが、呼吸が苦しくなりテーブルに手をついて姿勢を保つ。
「っ…はっ…」
「悠?」
こちらの様子に気づいた千世に呼びかけられ返事をしようとするが、上手く声を出すことができない。
「っ…はぁ…はっ、ぁ…はぁ…」
「ちょ、悠?大丈夫!?」
呼吸が上手くできず、段々視界がボヤけてくる。
「悠、息ちゃんとはいて!」
焦る千世の声が聞こえずらくなっていく。
立っている感覚が無くなって、自分が今どんな状態なのか分からなくなる。
(この体勢から倒れたら痛いかな…)
と呑気なことを思いながら、床に頭から倒れた。
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