アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
24.
-
side悠
「息吐いて…ゆっくりでいいから…」
床に倒れるはずだった身体は誰かに受け止められていた。
俺を席に座らせ口にタオルをあて、息を吐くよう言われる。
思考がまともに働かないのでその声に従い息を吐いた。
「っは…は…ぁ…はぁ……」
「そう、上手…ゆっくりでいいからね…」
支えてくれた人は、タオルを抑えていない方の手で背中をさすりながら、優しく声をかけてくれた。
息を吐く量を多くして一時が経つとしゃくりがなくなってきた。その後は声の主の呼吸をききながら、自分の呼吸も真似し落ち着かせる。
「ぁ…はぁ…はぁ……」
段々呼吸が落ち着いてきて、周りが見えてきた。
「ぁ…け…とさん…?」
「落ち着いたね…」
支えてくれたのは慧杜だったらしい。
呼吸がだいぶ落ち着きタオルは外されたが、背中をさするのは続けてくれた。
(なんか落ち着いたら疲れた…眠い…)
少しずつ瞼を閉じようとしていると、慧杜が自分の肩に寄りかからせた。
(こんなこと迷惑なのに、起きなきゃいけないのに、すごく落ち着く…)
迷惑をかけてしまうと思ったが、疲れと安堵による睡魔に負けて目を閉じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 58