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32.
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side悠
「嘘じゃない…俺は神木さんの話を聴きたいです…」
そう慧杜から言われた瞬間、我慢していた涙が溢れ出した。
慧杜は嫌な顔一つせず、俺を抱きしめ背中を一定のテンポで優しくたたいてくれた。
思い切り泣いたおかげで大分気持ちが楽になった。
段々と冷静さを取り戻し、いまの状況、慧杜が至近距離にいるこの状態に恥ずかしくなってしまった。
(ど、どうしよう…慧杜さん近いよぉ…)
「あ、の…」
「大分落ち着きましたか?」
「はい、すみません…」
恥ずかしすぎて慧杜の顔を見ることができない。
俯いていると手が伸びてきて顔を上げさせられた。
「俯いているとまた泣いているのかと思ってしまいます」
「っ…もう泣いてません…」
「そのようですね…」
安心しましたと慧杜に優しく微笑まれ、心臓がはねる。
顔が赤くなるような感覚があり隠そうとするが、頬を慧杜の手に包まれているので、下を向くことができない。
(恥ずかしすぎる…)
慧杜はそんな俺の様子を見てクスクス笑っている。
「笑わないでくださいっ…」
慧杜に抗議すると、可愛くてついと返され、さらに恥ずかしくなった。
ぷぅと頬を膨らませていると、ひと通り笑い終えた慧杜が真剣な顔で見つめてきた。
「…神木さん、提案があるのですが聞いていただけますか?」
「提案…?」
「俺にカウンセリングをさせていただけませんか?」
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