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37.
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side悠
(また泣いちゃった…)
ちょっと待っててと言われ、慧杜を待っている間に止まりそうにない涙を雑に拭う。
「あんまり擦っちゃだめだよ」
慧杜は戻ってくると肌触りの良いふわふわのタオルで優しく涙を拭いてくれた。
「すみません…」
「何で謝るんですか?」
「その、泣いてばっかりだしタオルも汚しちゃったし…」
俺の言葉に慧杜の手が止まる。
どうしたのかなと思い慧杜を見上げる。
すると彼は微笑んではいるが、眉を下げて少し寂しそうな顔をしていた。
「…神木さん、そんなに謝らないでください」
「ぇ、でも…」
「俺はもっと違う言葉が聞きたいです」
違う言葉…下げていた視線をもう一度上に上げて慧杜を見つめる。
「ぁ…ありがとうございます…」
「…よくできました」
慧杜はクスッと笑ってよしよしと俺の頭を撫でた。
子供扱いをしないで欲しいのに慧杜の手が気持ちよくて反論できなかった。
(慧杜さんの手、すごく安心する…落ち着いたからかな…なんか眠くなってきた…)
段々重くなる瞼を上げることができず、慧杜の手の温かさを感じながら目を閉じた。
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