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38.
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side慧杜
トサッ
いきなり脱力した悠を支え、ベッドに横たえる。
彼は目を瞑って穏やかな寝息をたてている。
(…少しは肩の力を抜くことができたのかな…)
涙で濡れた睫毛を眺めながら、もっと自分を出していいのに…と思った。
悠の近しい人間、瑠依や千世は彼を傷つけるようなことはしないと俺は思った。
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「ん…」
「起きましたか?」
「ぇ…」
きょろきょろと辺りを見回す起きたばかりでぽやぽやしている悠は、とても可愛らしかった。
「…っ…すみません!」
「クス…慌てなくて大丈夫ですよ。飲み物を持ってきますので少し待っていてください」
キッチンに行き、作っておいたロイヤルミルクティーを温めてカップに注ぐ。
悠がいる部屋に戻ると彼はベッドの端にちょこんと座っていた。
「どうぞ」
「すみませ…」
謝ろうとする彼の口を人差し指で塞ぐ。
「それ…」
「ぇ…」
「謝るの禁止にしましょう」
そう言うと彼は困った顔をした。
「今度から謝ったらペナルティです」
「…ぇ!?」
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