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煉が教室を出ていったあと
口を開いたのは、咲夜だった。
「……ごめん、健」
「…いや…俺も…ごめん。」
お互い、煉のあんな姿を見たのは
初めてで、戸惑っていた。
「煉…さ…」
咲夜はぽつりぽつりと話し始めた
俺は梨華と付き合ってからも
咲夜や煉の方を優先していた。
そのせいで梨華が2人に嫉妬をしていたこと、
梨華の2人への執拗な嫌がらせ、
その他にもいろいろ…
俺の知らないところで煉が梨華に
嫌がらせを受けていたこと。
咲夜はすべてを俺に話した。
「り…か……が…
そんな奴だったなんて…
でも…俺のせいで2人とも…ごめんな。」
「いや、いいよ。
俺は平気だったし…
煉は…すげぇダメージ受けてたけど…」
「そっか…謝んなきゃな……」
「おう…でもさ、しばらく、
放っておいてやろうぜ?
嫌がらせを受けていたことを隠したのは
知られたくなくて心配かけたくなくて、
なにより…幸せそうな健の顔を見てたら
その彼女にいじめられてるなんて言えねぇだろ…
煉は言うべきことは自分から言うやつだ。
だから、煉から言ってくるまで
待ってやってくんない?」
そうだ…煉はそういう奴なんだ…
「おう…」
咲夜に返事を返し、
俺は梨華の元へと向かった…
「健は…やっぱり、
煉の気持ちには気づかないんだな…」
咲夜は健の出ていったドアに向かって
小さくつぶやいた。
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