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兄弟
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兄貴と俺に…血のつながりがない…?
何を言われているのか
頭が追いつかない。
「健はまだ1歳にもなってなかったし
記憶がなくて当たり前だよ。
でも、ホントのことだ。
健と俺は、血縁関係には、ないんだ。」
兄貴の言葉は頭に入ってくるのに、
理解することができない。
兄貴が兄貴じゃない。
母さんが、俺のホントの母さんじゃない。
2人とは、血が繋がって…ない…
「そんなの、分かりたくねぇ。」
俺は低くドスのきいた声で言ったつもりだったが
実際に出た声は震えて、喉から絞り出したような声だった。
「俺は、母さんと父さんに健には秘密にしといてくれ
って言われたから、理由はわからなかったけどそれに従った。
まぁ、健の本当の母親の事情でだったんだけど…
それは知りたければ後で話すから。」
淡々と言葉を紡いでいく兄貴。
本当の母親の…事情……
「だから、ホントはずっと言わないつもりでいたんだ。
父さんたちと約束したから。
でも……」
兄貴が初めて口を濁した。
「でも......?」
「でも、この事実を健に伝えなきゃ
俺の気持ちがどんなのか
分かってもらえると思わなかったから。」
兄貴の...気持ち......?
「さっき、俺言ったよね?
俺にしろよって」
「うん...」
「好きなんだよ。健、お前のことが。
兄貴としてじゃない。家族としてじゃなく。
1人の、男として。
だから、この話もした。
冗談とかで誤魔化されたくないから。」
初めて見る、兄貴の真剣な表情。
いつもヘラヘラしてて、
なんでもソツなくこなして、
彼女と付き合っても長続きしないし
でもすんげぇ優しくて。
いつもふざけてた兄貴。
俺はその時、真剣な兄貴を初めてみた。
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