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熱誠カタルシス ー予期せぬ、事態。ー1
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入学式の席で紹介された前期生徒会役員メンバーの中に、櫻木綾世の姿があった。
先ほど、颯斗に注意をした2年生と共に『1年本部委員』という役職に就いていた。
1年生の各級長の指導と面倒を見るのが仕事のようで、1年生全体をまとめる役割を担っているらしい。
先ほど判明した事実で、颯斗がショックだった事実。
綾世が今年2年生で、颯斗の1学年先輩だということ。
綾世の祖父さんは、二人が同じ歳だと言っていたのに…。
何でだ…?
参ったな……例え違うクラスであっても、学年が同じであればいくらかの共通点はある。
1学年4クラス。
他のクラスとの合同授業もあれば、学年行事もある。
休み時間に、互いの教室を行き来だって出来る。
接点はいくらでもあるはずだ…。
でも……学年が違うとなるとそうはいかない。
他学年、しかも先輩の教室の前を、下級生がそうそうウロウロするというわけにもいかないだろう。
それどころか、綾世を追いかけて、今ここに颯斗が居ることをどうやって知らせることが出来るだろう…。
「幹君って、櫻木先輩とどういう関係?」
入学式後の教室で、柏木が訊いてきた。
「あぁ、友達!」
颯斗は短く答える。
「へぇ、そうなんだ…幹君って、すごいね……」
気が付くと、クラスメイトの視線が集中している。
「えっ、そう…? でも、みんな綾世の事は知ってるんだね?」
颯斗はごく自然にそう口にしたのだけれど、柏木は一瞬口を噤んだ。
そして少しの沈黙があった後、口を開く。
「そりゃぁ……櫻木さん、有名人だもん…」
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