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熱誠カタルシス ー予期せぬ、事態。ー3
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翌日、颯斗のクラスの教室には、半数の生徒がすでに登校してきていた。
入り口で、大声で「おはよう」と挨拶をする。
その声に一瞬、教室のざわめきが消えた。
4、5人のクラスメイトが、口々に挨拶を返してくる。
颯斗は、自分の机に投げるように鞄を置くと、教室を後にした。
1年生の教室が並ぶ2階と、2年の教室が並ぶ3階の間にある階段の踊り場。
運動場を見下ろす窓の桟に、腰掛ける。
この位置からだと、ちょうど2年生の下駄箱へ向かう生徒を見下ろすことが出来る。
それに、階段ですれ違う可能性も高い。
ここで張っていれば、いつか綾世に出会えるはずだ。
でも数日経っても、そこで綾世の姿を見ることはなかった。
それから颯斗は、休み時間になるとすぐに教室を飛び出し綾世を探し回っていた。
だからそうすることで、知らず知らず、颯斗がクラスで孤立してしまっていく事に気が付かなかった。
*****
入学してから10日程経った頃。
3時間目の予鈴が鳴って教室へ戻ると、そこには誰もいなかった。
初めての移動教室。
校舎の内部がまだ良く理解出来ていない颯斗は、化学室を探してさまよう羽目になった。
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