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熱誠カタルシス ー友達ー5
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律基は颯斗の反応に、不満のようだ。
今度は、颯斗が玉子焼きを律基の弁当箱に放り込んだ。
「わ~い、いただきま~す!」と、無邪気に噛り付く。
そして、眉間にしわを寄せ舌を出した。
「しょっぱ…」
その仕草が子供のようで、つい笑ってしまう。
こんな些細な事が、とても嬉しかった。
「楽しそうじゃん」
二人に、クラス委員の西嶋昭彦(ニシジマアキヒコ)が声を掛けてきた。
「何か用?」
律基が、とっても解かりやすい冷たい口調で返す。
「いいや。川那辺には用は無い。幹、5限目の英語は第1視聴覚室だから、ヨロシク!」
律基の態度に、動じることも怒ることも無くさらりとかわし、西嶋は颯斗へ連絡事項を伝えてくれる。
彼は、先生やエスカレータ組のクラスメイトに信頼されていて。
満場一致でクラス委員に選ばれた。
理科室への移動教室での遅刻の一件以来、細かい連絡事項を洩れなく颯斗に伝達してくれるようになった。
お陰で、とても助かっている。
いつもなら、用件だけを伝えたら立ち去る西嶋が、まだその場から動こうとしない。
ふと律基を見ると、不機嫌丸出しの顔で西嶋を睨んでいた。
「俺は、何か川那辺を怒らせるようなことしたか?」
ため息混じりに、律基に問う。
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