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熱誠カタルシス ー友達ー6
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「幹くんの事、見て見ぬ振りしてたよね?」
「うん…まぁ。 結果的にはそうなったな…でも、幹がそれを怒るならまだしも、川那辺が腹を立てることはないだろう?」
「僕はね、“幹くんの事”だからじゃなくって、弱いものイジメを傍観していたってことが許せないの!」
「ちょっと待てよ! 先生じゃないんだぜ。簡単に俺がどうこう出来るものじゃないだろう?!」
それはそうだ、クラス委員とはいえ特別なわけじゃない。
ヘタに対処してクラスメイトに反感を買ってしまうわけにはいかないし、かといって立場上加担するわけにもいかないだろう。
「なにさっ…」
「川那辺!落ち着けって」
まだまだ文句をまくし立てそうな律基の言葉を、颯斗が遮った。
「いつも委員長は、さっきみたいに必要なことはちゃんと教えてくれるし。俺、委員長には1度も無視されたこと無いよ」
分からないことを訊くと、唯一ちゃんと答えて普通に接してくれるクラスメイトだった。
「そんなの普通のことじゃん。別に、褒められたことじゃない!」
「俺だって、このままでいいと思っていたわけじゃない。でも、幹は泣き言ひとつも言って来ないし、どうした物かと考えていたんだ…。そしたら川那辺が幹のことを教えてくれって言うから、いろいろと教えてやったんじゃないか。川那辺には、感謝されても文句を言われる筋合いは無いと思うがな」
「泣き言はね、『言わない』んじゃなくって『言えない』んだよ! 考えてる暇があったら、さっさと行動しなよね!!」
「あのなぁ~。何でもかんでも、そういうわけにはいかないだろうが!」
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