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熱誠カタルシス ーあきらめ、ない。ー3
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「幹くん。櫻木さんと友達って本当なの…?」
「え…?」
怪訝に見返す颯斗に律基は少し困ったような表情を返した。
「いや、あの…幹くんが嘘を付いてるって思ってるわけじゃないんだよ。ほら!櫻木さんって特別親しい友人って居ないって…、噂があったからね……」
「へぇ、そうなんだ…。友達になったのは去年の夏休みなんだ。俺さ、綾世を追いかけて聖藍受けたんだよ。でも、まさか1こ学年上だったとは思わなかった…」
「なにそれ!? 友達なのに知らなかったの?」
「祖父さん…あ、綾世の祖父さんなんだけどさ。夏休みに会った時、俺達『同じ年』だって言うからてっきり同級生だと思っててさぁ…。確かに『同じ年』って言ったのに…。なんでだろうなぁ?あっ!もしかして実は祖父さん、ボケてたりとか……は、すっげーしっかりしてたし、絶対ないもんな~」
律基はクスクスと笑っている。
「幹くん、何月生まれ?」
「えっ? 7月だけど…」
「じゃぁ、その時もう誕生日終わってたんでしょ?」
「えっ? うん。それが…?!」
「1学年違いだと、誕生日によって同じ歳になる時期があるよね? 確か、櫻木さん12月生まれ…だったはず……」
「あっ! すっげ~な~川那辺頭いいなぁ。すっげ~や!!」
本当に凄いや、そんな風に考えもしなかった。
「ちょっと考えれば分かると思うんだけど…」
「いや、分かんないって! 俺、祖父さんが耄碌して間違えたんだとしか思わなかったもん!」
颯斗の言い種に、律基は噴出しおなかを抱えて笑い出す。
「なぁ、川那辺は綾世のこと、なにか知らない? あいつ、なんで学校ではあんなに無表情なんだろうな…」
律基が笑うのを止め、真面目な表情になる。
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