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熱誠カタルシス ーあきらめ、ない。ー4
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「櫻木さん、別に無表情じゃないよ。あまり感情が表に出る人では無いけど…」
「でも、学校での綾世の笑顔は作り笑いだ……」
律基は黙り込む。
「綾世は笑うとさ、ちょっと顔が幼くなるんだ…。あんな人形みたいな綺麗な作った笑い方じゃなくって…両頬にエクボが出来てさ……すっげぇ可愛いよ!」
律基は颯斗の言葉を静かに聞いていたけれど、大きな息をして話し始める。
「櫻木さん……昔はあんなじゃなかったよ。 今は近寄りがたい感じだけど、前は親しみやすくて明るくて、よく笑う人だった…」
律基は真っ直ぐ正面に視線を向けた。
けれどその瞳はなにも捕らえず、どこか遠くに向けられている。
「初等部の時にね、櫻木さんをすっごく慕っている下級生がいたんだ」
話す律基の横顔を見つめながら、静かに耳を傾ける。
「その子が、突然イジメにあい始めて…。学校に来られなくなってしまったんだ。櫻木さんは何とかして、助けてあげようとしたんだけど…。それがね、イジメの中心人物が櫻木さんの一番仲良しだった友達で、イジメの理由が『櫻木さんが、その下級生を可愛がるのが面白くなかったから』だって解かって…。そのうえ、当時あった櫻木さんの親衛隊やファンクラブのメンバーも手を貸してた」
「…………」
「それを知った櫻木さんはすごく怒って……その友達に詰め寄って、手を上げて怪我をさせてしまったの……。そのことは学校で問題になったけど、いじめの事実が明らかになったから、櫻木さんは処分されなかった」
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