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熱誠カタルシス ー偽りと、真実。ー11
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月曜の朝、颯斗はいつもより早く登校し、教室に向うよりも先に生徒会室がある東校舎に向かった。
聖藍中学では、毎月第1月曜日は全校朝礼がある。
律基の情報によると、そのために生徒会役員は連絡事項を受けるため、生徒会室に招集される。
だから東校舎の入り口で待ち伏せていれば、必ず綾世に会えるはずだと…。
東校舎は1階が学生ホールで、2階が小講堂、3階に生徒会室があり、一般教室は入っていない。
こんな朝早く、本校舎から1番遠い学生ホールを利用する生徒は居ない。
だからここなら、ほとんど人目を気にする必要も無く、都合も良い。
壁にもたれ掛かり立つ颯斗を、集合してくる生徒会役員の面々が怪訝そうな顔で見て行くが、咎める者は居ない。
颯斗は考えていた。
綾世のことを本当に1番理解しているのは、きっと律基だろう。
その律基が、『綾世にとって颯斗が必要ない人のはずは無い』と、言ってくれた。
だから、そうなのだと信じよう。
応援してくれて、諦めるなと言ってくれる律基の言葉を信じよう。
ふと視線を上げると、遥か前方にこちらへと歩いてくる綾世の姿を見つけた。
颯斗はゆっくりと壁から体を起こすと、大きく深呼吸をする。
綾世はこちらに気付き、一旦立ち止まったけれど、顔を伏せ知らぬ顔で通り過ぎようとした。
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