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熱誠カタルシス ー偽りと、真実。ー16
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律基は、小さく息を吸って続ける。
「僕は、綾ちゃんに頼まれたから幹くんと友達になったんだって思われるのが、嫌だっだ。 それに、そのうち綾ちゃんが幹くんに話をするだろうと思っていたし…。 なのに、『律があいつと友達になった事は、僕には関係ない。 僕はあいつとは、何の関係も無いから』って、言うんだよ!? そんなの変だよね? 関係ない人の心配なんて、普通しないでしょ? それに、幹くんが綾ちゃんの事で一生懸命なの知っていて…そんな事を僕の口から幹くんに伝えられなかった…。 何とかしようって…綾ちゃんに幹くんのこと色々話したりしてたんだけど……。綾ちゃんは聞いてるだけで、何も言ってくれないし…。 それどころか、どんどん頑なになっていくみたいで…。 どうしていいか、分からなくって……。 最初から、全部幹くんに話していれば良かったんだよね。 本当にごめんなさい…」
律基はうなだれて黙り込んだ。
颯斗は、なるべく優しく話し掛ける。
「俺と綾世の板ばさみで、川那辺はずっと苦しんでいたんだな…。 俺、自分の事で一杯一杯で全然気が付いてやれなかった…。こっちこそ、ごめんな」
律基は顔を伏せたまま、首を左右に振った。
「なぁ、顔上げろよ。俺達は、友達だろ? 川那辺は俺の友達1号だよな! 応援してくれるんだろう?」
「…うん!」
顔を上げた律基の目は、潤んでいた。
颯斗は笑顔を向ける。
「よかった。だったら俺、頑張る! 今日の昼休み綾世の所に行くから、川那辺も来いよ!」
颯斗の言葉に律基は一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに笑顔になり答えた。
「うん! だったらちょっと、僕に考えがあるんだけど……」
律基は、小声で秘密の計画を話し出す。
「よぅし、いっちょ暴れるか!」
話を聞き終え、颯斗は自分を奮い立たせる様に、拳を振り上げ大声で叫んだ。
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