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熱誠カタルシス ー熱誠、カタルシス。ー7
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もともと思いつきで行動に走る颯斗には、『台本通り』なんてことは所詮無理だったのかもしれない。
「いいじゃん!そこから綾世を絆していく予定だったのが、一気に解決だし。 俺達が綾世にとって特別な存在だって、宣言してくれたようなもんで…。 周りにアピールも出来たことだしっ!」
「そりゃあ、結果的にはそうだけども……」
結果よければ、総て良し!
結果オーライなのだ!!
「なんだよ、予定通りじゃなかったからって…。 じゃぁもし、俺が2年生にやられても、綾世が助けなかったらどうするつもりだったんだ!?」
それこそ、予定外で、予想外。
「そんなこと絶対あるわけ無いじゃん…!! 幹くんだって、そう思ってるくせにっ!」
律基が力強く否定する。
綾世がそんなの、放っておけるはずがない。
そんなことは、颯斗も分かっている。
「そりゃぁ、そうだけど……」
「へぇ~~~、そういう『計画』だったんだ……」
よく通る澄んだ声が、二人の会話を遮った。
「綾世…!」
「綾ちゃん!」
突然の綾世の乱入に、颯斗と律基は慌てる。
「ど、どどどどどどこから聞いてたんだよ…?」
「さて、どこからでしょう?」
綾世は腕組をした手に、購買で買ったのであろうおにぎりの入った袋を下げている。
「あっ、綾ちゃん! お昼持参なんて用意いいね」
律基が分かりやすく、話題をそらす。
二人の企てを知ったからと言って、綾世に怒る様子は無い。
綾世は颯斗の正面、律基の横に座る。
「三田先生は、休み時間に保健室に来た生徒に留守番を押し付けて自分も休み時間をエンジョイする不良校医なんだよ。 だからせっかくの休みを奪われたくない生徒は、少々の怪我じゃここには寄り付かない」
「ひっでぇ…」
「……そうなんだ」
颯斗と律基は、どちらとも無く呟く。
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