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純真メランコリー 4
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「ここが生徒会室に向かう渡り廊下で、そこにたまたま雨でグランドが使えない陸上部が居たから…」
「そうかそうか。たまたま"陸上部の幹"が居たから、わざわざ靴を脱いでまでちょっかい出したんだな」
そう言って、颯斗に目配せした周防が笑う。
…周防さん綾世のこと、面白がってないか?
でも、綾世が颯斗だけに構ってくるんだってことを証明してくれようとしている…。
周防さんって、すっげぇ良い人!
「…ちがう。邪魔だったから踏んだんだ。でも、僕だってシューズで踏むほど鬼じゃない」
「えぇ!」
俺って…マジで単に邪魔だから踏まれたのか!?
「周防、変なこと言わすな。颯斗のバカが本気にする」
……バカって。
「…綾世さん…ひでぇ~…」
くぅううう。泣ける。
「櫻木。単純な奴だから、言ちゃまずいってこともあるんじゃないかと思うけど?」
「・・・・・・・」
綾世が一瞬口を噤む。
"単純な奴"って、誰のことだよ!?
「…うん。まぁ……」
ボソリと呟いた綾世の様子に、周防が満足気な表情を颯斗に向けた。
けど……。
なんだ、それ!?
全然意味わかんねぇし!
二人だけで通じて、颯斗には理解不能……おもしろくない!!
「綾ちゃん!居た!!」
本校舎寄りの渡り廊下から、律基が跳ねるように駆けて来る。
「探した…よ。さっき・・から、放送でぇ綾ちゃんっに…呼び出し・・掛かって・・るよ!」
綾世を探して走り回ったのだろうか、随分と息が切れている。
そう言えば、さっきから何度も校内放送流れてたような…。
でも、校舎と生徒会室が在る特別棟を繋ぐ屋根があるだけの渡り廊下では、内容までは聞き取れなかった。
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