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純真メランコリー 5
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「えっ?僕…?なんだろう……」
「あの…ね。面会人…だって…」
「面会人? 学校に…?」
「うん。もしかしてお祖父ちゃんかもって思って、僕ちょっと覗いてきたんだけど…違ってた」
寮生には、面会人と称する訪問者が多々あったりするようで。
でもそれは、寮に友達や家族が訪ねて来るといったような事がほとんどだ。
学校に…しかも家族以外の人物が訪ねて来ることはそうそうない。
「それがね。外国人だった!」
「は…?外国人!?」
綾世が珍しく眉根を寄せ、訝し気な表情を見せた。
「…悪い、周防。ちょっと行って来る」
「あぁ、うん」
「えっと・・・颯斗。これ、周防と一緒に生徒会室に運んでくれる?」
生徒会の一員でも何でもないけれど、綾世の頼みとあればきかないはずはない!
「オーケー!」
両手の資料を颯斗に預け、綾世は本校舎へ向けて走って行く。
その背中を見送りながら、律基がボソリと呟く。
「誰だろう…あの外国人……」
その顔が心なしか不安そうに見える。
「櫻木ってハーフだろ?親戚とかじゃないのか? 幹、先に生徒会室行っとくからな。急ぐ必要ないから後でそれ届けてくれよ、頼んだぞ」
「あ、はい!」
周防さんは訪問者に関心がないらしく、さっさと行ってしまった。
「外人って…親戚なのか?綾世さんって…ハーフじゃなくって……なんてったっけ?」
「クォーター!」
そうそう、そうだった!
1/4外国人なんだっけ!?
色白で鼻高くて綺麗な顔してるし、髪も艶々のべっこう色で体のバランスも日本人離れしてるもんな。
ってか、あれ…?
クォーターってのは、日本人じゃないのか!?
「綾世さんって日本人だよな!?」
颯斗の言葉に、律基があからさまに不機嫌な顔になる。
えっ?あれ!?
変なこと言った…!?
「綾ちゃんは日本生まれの日本育ちです!立派に日本人なんだからね!!」
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