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純真メランコリー 9
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駆け寄って、綾世に絡まる腕を掴む。
「What is your relationship with him?(彼とはどういう関係?)」
英語・・・?
彼は颯斗にチラリと視線を向け、綾世に話しかけた。
言葉がなんとなく英語なのだろうというのはわかったのだけれど、その内容まではわからない。
早くてなんて言ったか聞き取れないし、例えゆっくり話していたとしても、悲しいかな訳せる頭も持ち合わせていない…。
「Friend!」
”友達!”
綾世の発した単語だけは理解できた。
「Oh!Nice to meet you. I am Mark. What's your name?(初めまして。マークです。君は?)」
綾世の答えを聞いた外国人は大げさな口調で颯斗に話しかけ、手を差し出す。
「…えっと……」
聞き取れない……今、なんて言った!?
「彼はマーク。『君の名前は?』って訊いてる」
困惑の颯斗に、綾世がさり気なく耳打ちで教えてくれた。
「ハヤト。ミキハヤトデス!」
「…颯斗。イントネーションおかしい……」
綾世にボソリとツッコミを入れられた。
いや、だってさ…普段外国人とコミニケーション取るような機会なんてないから緊張するし…。
それに…マークは薄闇でも顔がはっきりわかるくらい間近で見ると、超イケメンだ。
一方、颯人は闇に紛れてしまいそうな程真っ黒に日焼けして、一重瞼にそこそこの高さしかない鼻、硬い黒髪、綾世やマークに比べるとはるかに短い足。
生粋な純日本人…。
「Let's get to be friends.(仲良くしてね)」
「…えっ?」
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