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純真メランコリー 10
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聞き取れない事を察したのか、マークは今度はゆっくりと颯斗に言った。
えっと…『friend』は"友達"で…『Let's~』が"~しましょう"。
んで、『to be』は"~なる"だから…。
「あ!『友達になりましょう』か!オーイエスイエス」
マークの差し出されたままの手を取り、握手を交わす。
ものすごく爽やかなハンサムスマイルを向けられた。
綾世が"ビューティフル"なら、マークは"ハンサム"って表現がぴったりだ。
二人の間に立つ綾世を見ると、一見いつもの無表情に見えるのだけれど、微かに眉間に皺を寄せている。
…あれ?
なんか、まずかった!?
「颯斗、そういう訳だから今日はごめん!」
「えっ!?」
突然話を打ち切るようにそう言うと、綾世は出口へ向って行く。
「ちょっ、綾世さ…!」
追いかけようとした颯斗の前に、邪魔するようにマークが立つ。
長身だから、結構な威圧感だ。
「なっ、なんだよ…」
「See you soon. Bye!(じゃぁまたね!)」
不審に見上げる颯斗にマークが笑顔で言う。
「え…あ…バイ!」
思わず、反射的に応えてしまった。
颯斗の返事を聞くと、マークは身を翻し綾世を追う。
そして、前に回り込んで出入り口のドアを開けた。
綾世が顔を上げ、何か呟くとマークは凄く嬉しそうな笑顔でそれに答えている。
なんて絵になるんだろう…まるで、洋画のワンシーンを見ているようだ。
そんなことを思いながら、颯斗は一人その後姿を眺めていた。
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