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純真メランコリー 18
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天気は本日も雨。
颯斗は翌日にはすっかり回復し、登校することができた。
学園行きのバスに乗り込むと、聖藍学園の生徒ばかりだ。
乗り合わせた数人のクラスメイトと挨拶を交わす。
ここでもさんざん『夏風邪はバカがひく』(いや、だからもぅ秋だし!)と言われ、驚異の回復力も『風邪菌が逃げ出すほどのアホだ』と、からかわれる。
そこを力強く否定できるほどの頭を持っていないのが、つらい…。
くだらない話をしながら、校舎まで辿り着き下駄箱で上履きに履き替える。
「あっ!幹…」
教室へ向おうとした颯斗をクラスメイトが引き留めた。
「んぁ、なに?」
「櫻木さんだ!」
「え…!?マジでっ!!」
クラスメイトが指差す方を見ると、綾世がちょうど正面の職員室から出て来たところだった。
「悪りぃ、教室先行ってて!」
そう告げて、綾世に駆け寄る。
「綾世さん、おはよう!」
職員室の出入り口で、一礼する綾世に声を掛けた。
朝から偶然にも顔を見る事が出来て、喜びのあまり声が弾む。
綾世が顔を上げ、ゆっくりと視線を向けた。
「…颯斗。おはよう」
無表情に抑揚のない声。
だけど、心なしか元気がないような…。
駆け寄りながら、話掛ける。
「あのさ。俺、昨日……」
「Oh! Good morning Hayato!(やぁ!颯斗、おはよう!)」
「へ…?あっ……」
会話を遮られ、足が止まる。
綾世に次いで、職員室からマークがひょっこり顔を覗かせた。
「モ、モーニング…」
いくら早口な英語でも、挨拶ぐらいは解るぞ。
マークは綾世の前を横切り、ニコニコと満面の笑顔で颯斗に近づいて来た。
「What a coincidence! I am glad to be able to meet! Is it business in ateacher'sroom?(偶然だなぁ!会えるなんて嬉しいよ!職員室に用事かい?)」
「いっ……えっとぉ…」
うわぁ参った……全然解んない…。
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