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純真メランコリー 24
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「ただ…従兄弟が母国で教師目指してるってんで、日本の教育現場を見学したいらしくてな。何日かうちに通うらしいぞ…」
学校見学……!?
「あ……じゃぁ!今朝マークさんが職員室に居たのって…学校見学のためじゃないか?!」
「あぁ、挨拶に来てたな…」
「そっかぁ~…。はっきりして良かったじゃん!川那辺!!」
ほっとして律基を見遣る。
けど…、険しい表情の律基と視線がぶつかる。
「よくないっ!全然よくないよ!!」
「はぁ…?!」
「あいつが綾ちゃんを連れに来たってのは、本当なんだからね!」
颯斗に訴えかける律基の瞳は潤んでいて、また泣き出してしまいそうだ。
「昨日、お祖父ちゃん家から帰って来た母さんに聞いたんだから。綾ちゃんがあいつと外国に行くことになるだろう…って!いろいろ話し合って来たって…」
「いろいろって?!」
「わっかんないよ!だって、綾ちゃんが居なくなっちゃうと思ったら辛くて…訊けなかった……。それに、子供は口出ししちゃいけないって……」
律基の母親がそう言うのであれば、三田先生の発言より随分信憑性が高い。
「やっぱ俺、綾世さんに直接訊いて来る!」
出入り口に向かおうとしたタイミングでホームルーム開始の予鈴が鳴る。
「はい、残念でした!ホームルーム始まるから幹は教室に戻れ!」
なに、この不良校医…。
自分はサボり上等なくせに!
「川那辺は、顔色が悪いから少し休んで行っていいぞ。その分だと、昨日寝れてないんだろ?」
「……はい」
「どれ、熱はないか?」
三田先生は律基の前髪を掻き上げると、おでこ同士をくっつけた。
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