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純真メランコリー 64
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もっともっと、頼ってもらいたい!
そっと、綾世の柔らかい癖毛を指に絡める。
いつも何処ででも居眠りをしている颯斗の寝顔なんて、綾世にはしょっちゅう見られているけど……きっと、涎垂らしたアホ面晒してんだろうな…と、思うと恥ずかしくなる。
こんな、綺麗じゃないもんな……。
本当に…作り物の人形なんじゃないかと錯覚するくらいに綺麗だ。
ふと、その白い肌に血が通っていないんじゃないかと一瞬ありえないことを思ったりして、手で綾世の頬に触れた。
……あたたかい。
当たり前なのに…そんな当たり前のことにほっとする。
颯斗の掌が綾世の唇に触れ、薄く開く。
漏れた息が颯斗の手に掛かった。
慌てて手を引っ込める。
…………。
触れた綾世の唇…柔らかかった……。
自分の掌をじっと見つめる。
そっと、綾世の唇が触れた所に自分の唇を寄せた。
視線を上げると、すぐそこに綾世の顔がある。
急に心臓が跳ね上がり、鼓動が大きく感じられた。
……なんか…や、やばい………。
胸が締め付けられるように苦しくなる。
なっ……なんだよ…これは?!
慌てて起き上がると、部屋を飛び出す。
急な階段を転がるように駆け降りた。
自分の胸倉を強く握り、息を整える。
おっ…落ち着けぇ……。
シャツを握る手を緩め、そっと開く。
唇が触れた掌を見つめた。
………間接キス……しちゃったよ!
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