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純真メランコリー 76
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土日の部活サボりに引き続き、月曜の朝練までもサボってしまった。
ただでさえ怠い月曜日。
天気まで鬱陶しい曇り空。
颯斗は学校までの道のりをのろのろと自転車を漕ぐ。
学校行きたくないなぁ…。
『綾世に会えるから学校に行く!』
それがそもそも、聖藍学園に通う理由だった。
でも今は、友達もたくさん居るし心地のいい居場所もある。
たった一人、欠けただけだ……。
なのに…………。
そのたった一人がどれだけ心を占め、颯斗にとってどんなに大きい存在だったのかを思い知る。
きっと祖父さん達との話し合いで、綾世の外国行きはなくなっただろう…。
傍に居れなくても、綾世の姿を見ることが出来るだけ、ましなのだと自分に言い聞かせてみる。
気持ちも足取りも重く、いつもよりかなりの時間をかけて学校に到着した。
教室へ向かうと、廊下で律基と西嶋が待ち構えていた。
「幹君、おはよー!部活の朝練サボったな!!」
律基はいつものハイテンション。
そういや、元気になったな……。
それがまた、綾世の海外行きがなくなったことを確定しているかのようだ…。よかった。
でも、そうだとしても…颯斗の心は沈んだままだ。
「幹…お前、ひっでぇ顔だな!」
「…うるせっ。元々こういう顔だ」
西嶋が、事の経緯をどこまで知っているのかわからないけれど、いつもと変わらない態度が有難い。
気を遣われたら……余計ツラい。
「そぉいや、来てたぞ。櫻木さん」
「え…?あぁ…そりゃぁ、来るだろ…学校……」
颯斗の返答に、西嶋が眉根を寄せる。
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